小学生向け英検®4級対策[文法編part.2(未来形)]
小学生向け英検®4級対策、文法編の第2回目です。
前回の記事を読んでいない方は、まずそちらをどうぞ。 →1回目はコチラ
この記事は、現役の英会話スクール講師が「小学生でもわかりやすい」を目標に英文法を紹介するものです。
今書店で買える文法書の多くは中学生以上向けで、漢字や文法用語がふんだんに使われています。
残念なことに、小学校や中学校でどんどん内容が難しくなってきている英語という科目を、予備知識なしで独学するには大変な根気とやる気が必要です。
多くの小学生にとって、英語に対してそれほどのモチベーションはありません。
かといって保護者の方がつきっきりで教える、ということは時間的にも難しいでしょうし、大抵思春期に入ってきている子供と親は口論になります。
この記事の目標は、子供が自力で英語の教科書を使って学べるようになるための予備知識をつけることです。
そのため、極力文法用語を使わずに英検4級の英文法をご紹介します。是非お子様と一緒にご覧ください。
後半に練習問題を付け加えます。知識の定着にお役立て下さい。
未来形とは
“I will call you later.” あとで電話します。
“He will send this letter to her tomorrow.” 彼は明日彼女に手紙を出します。
“She will come home at six.” 彼女は6時に帰宅するでしょう。
“I am going to be late.” 遅れそうです。
“Look at those clouds. It is going to rain soon.” あの雲を見て。そろそろ雨が降りそうだ。
“He is going to play soccer this afternoon.” 今日の午後に彼はサッカーをする予定です。
前回学んだことは、3つありました。
ふだんのことを話す形。“I play the guitar.” わたしはギターを弾きます。
今している最中だと話す形。“I am playing the guitar.” わたしはギターを弾いています。
昔していた、過去のことを話す形。“I played the guitar.” わたしはギターを弾きました。
では、将来、未来の話をしたいときはどうすれば良いでしょうか。
1つは簡単です。ただ”will”を、動きを表す言葉である、動詞の前につけてあげるだけです。
“I will play the guitar.” わたしはギターを弾くつもりです。
しないよ、と否定したいときは”not”を付け足すだけです。
“I will not play the guitar.” わたしはギターを弾くつもりはありません。
質問したいときは文の主人公である主語と”will”をひっくり返してあげましょう。
“Will you play the guitar?” ギターを弾くつもりなの?
ここまでみて、「あれ、この形見たことあるな…」と感じたあなたは鋭いですね。
そうです、実は5級で登場した”can”のルールとまったく同じなのです。
“can”は助動詞といい、漢字の通り動詞を助けて意味を増やしてくれる言葉です。
“can”のような助動詞には大切なルールが2つありました。
憶えていますか?
1. 助動詞のあとの動詞には何もつけてはいけない
(“s”や”ing”, ”ed”がついていない動詞を、動詞の原形とよびます。)
2. 意味が1つではない
(“can”であれば、「~できる」という意味だけでなく、「~してもいい?」「~してくれない?」など)
以上の2つでしたね。
“can”も”will”も同じ助動詞なので、すでにルールを覚えている人からすれば意味の違いさえおさえてしまえば大丈夫です。
もう少し”will”について深堀りしていきましょう。
※画像はShutterstockより
“will”は未来のことを言うときに使います、と説明したのになんですが…実は、基本の意味未来ではなくは「意志」、つまりは自分の気持ちです。
“I will eat lunch.”
は、「お昼を食べる予定です。」という意味ではありません。
「(あーおなかすいたなあ、もう1時か…よし!) お昼を食べよう」
という意味なのです。
まだやっていないけど、これからこうしようと決めたことを言う時に使う表現です。
結局は未来の話をすることができるんですが、この「自分の気持ち」というところがポイントです。なので、
「(天気予報まだ見てはないけど、たぶん) 明日は雨が降るだろう」
となんとなく予想するときも、以下のように”will”は使えちゃいます。
“It will rain tomorrow.”
では昔から決まっていた予定を表すときはどうでしょう。
④ “I am going to be late.”
⑤ “Look at those clouds. It is going to rain soon.”
⑥ “He is going to play soccer this afternoon.”
先の例文のように、”be動詞+going to”を使って表すことができます。
“be動詞+-ing”というと、「~している最中です」という意味で使っていましたが、さらに”to go”のように情報がつけ加えられると未来の予定を言い表すことができます。
このとき注意しなければいけないことは、”to”のあとの動詞には何もつけてはいけません。”will”などの助動詞と同じルールです。
しかし、⑤の「あの雲を見て。そろそろ雨が降りそうだよ。」という文は別に予定ではありませんよね。
“be動詞 going to”には”will”と違い、「意志」という意味合いはありません。
天気予報を見たから、雨雲を見たから雨が降りそう、など具体的な根拠があるときに、自分の気持ちや予想を話すと不自然なのです。
なので、根拠があるときは、
“It is going to rain.”
なんとなくの予想、自分の気持ちや意志が混ざっていたら、
“It will rain.”
が正しい言い方です。
ですがそんな細かいことよりもまずは、未来を表す言い方は2つあることを覚えてください。重要なことはまず、大まかなルールを知ることです。
また、“be動詞+-ing”のときとまったく同じルールで文を書きかえることができます。
ちがう、と言いたいときはbe動詞のあとに”not”をつける。
そうなの? と聞きたいときは主語とbe動詞をひっくり返す。
“It is going to rain.”
“It is not going to rain.”
“Is it going to rain?”
1度覚えたルールは何度でも登場します。
5級を受験する際に学んだ基本的なルールをマスターしていれば、それをもとに覚えたことを付け足していくだけなのです。
逆に今、この段階で身についていない、忘れてしまったのであれば復習の良い機会です。
1歩1歩学び直しましょう。
また、今回登場した文法用語は、できたら覚えるくらいで最初は問題ないです。
大事なことは、使うとどういう意味になるのか、どのようなときに使わないといけないのか、ルールを知ることです。
あとはたくさん練習をして、完全に定着させていきましょう。
実際に問題を解いてみよう!
では、実際に問題を解いてみましょう。指示された英文を書きましょう。また、そのあと日本語に直してみましょう。または、正しいものを選んでみましょう。
(1) I play soccer after school. [willを使った未来形の文にしましょう]
(2) He comes home at five. [willを使った未来形の文にしましょう]
(3) ( Is ・ Was ・ Will ・ Do) your brother use this dictionary next Monday?
(4) Will he( go ・ goes ・ going ・ to go) to bed early tonight?
(5) I ( am ・ was ・ will ・ do) give her some flowers tomorrow.
(6) He played tennis yesterday. [willを使い、明日テニスをするという文にしましょう]
(7) He plays the guitar after school. [今ギターを弾いているという文にしましょう]
(8) They will sing. [going toを使った未来形の文にしましょう]
(9) I ( use ・ uses ・ using ・ used ) this car yesterday.
(10) My mother can ( paint ・ paints ・ painting ) pictures well.
(11) He finishes his homework before eating dinner.
[going toを使った未来形の文にしましょう]
(12) He finishes his homework before eating dinner.
[going toを使い、~する予定はないよという未来形の否定文にしましょう]
(13) He finishes his homework before eating dinner.
[going toを使い、~する予定ですか?という未来形の疑問文にしましょう]
(14) He played tennis yesterday. [going toを使い、明日テニスをするという文にしましょう]
[解答]
(1) I will play soccer after school. 学校のあとサッカーをするつもりです。
(2) He will come home at five. 彼は5時に帰宅するつもりです。
(3) (Will) your brother use this dictionary next Monday? あなたの兄は次の月曜日にこの辞書を使いますか?
(4) Will he(go) to bed early tonight? 彼は今夜早く寝ますか?
(5) I (will) give her some flowers tomorrow. 私は彼女に明日花をあげるつもりです。
(6) He will play tennis tomorrow. 彼は明日テニスをするつもりです。
(7) He is playing the guitar now. 彼は今ギターを弾いています。
(8) They are going to sing. 彼らは歌います。
(9) I (used) this car yesterday. 昨日私はこの車を使いました。
(10) My mother can ( paint) pictures well. 母は上手に絵を描けます。
(11) He is going to finish his homework before eating dinner. 彼は夕飯前に宿題を終える予定です。
(12) He is not going to finish his homework before eating dinner. 彼は夕飯前に宿題を終える予定ではありません。
(13) Is he going to finish his homework before eating dinner? 彼は夕飯前に宿題を終える予定ですか?
(14) He is going to play tennis tomorrow. 彼は明日テニスをする予定です。
いかがでしたか?なれてくれば、きっと良い点がとれるようになります。また、数日後に同じ問題を解いてみましょう。復習が大切です。
最後に
今まで述べてきたことをまとめると、
・”will”を使って未来のことを話せる
・”be動詞+going to”を使って未来の予定を話せる
・5級で覚えたルールは4級でもそのまま使える
の3点です。
かなりかいつまんで紹介したため、説明しきれていない部分もあることでしょうが、それは次回以降で補填できればと考えております。
未来形は覚えることが多く、英検4級で出題されるだけでなく中学2年生定期テストの山場でもあります。
助動詞が複数混ざった文の英作など、応用はテストで狙われがちです。小学生のうちから中学生の負担を軽減するべくルールの定着を前倒しできると良いでしょう。
なら学校のテスト対策に繋がる細かなポイントや、”will”や”be going to“の違いについてもう少し細かく説明するべきという意見もあるかと思います。
しかし、英語をある程度読めるようになってきた小学生相手にそのような細かい知識やルールを押し付けるよりも、まずは自力で学習できるような下地を作ってあげるのが、保護者や教師を始めとする周りの大人達の役割なのではと考えております。
しっかりと努力し勉強すれば、小学生でも中学生レベルの文法事項を理解することは決して不可能な目標ではありません。
その学習意欲を維持するためにも、英検®は良い選択肢であると思います。
この記事が、少しでも多くの英語学習者や保護者の方々の役に立てば幸いです。
英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
さびねこ
【自己紹介】
英検1級取得後、英語講師を経て、フリーランスで翻訳・ライティング業務を行う。
【英語力・指導経験】
都内の大学(法学部法律学科)大学在学中に英検1級に独学で合格。
その後、英会話スクールにて、幼児クラスから、小学生向けクラス、そして、高校生・社会人クラスと一通り担当。
独学で英語をマスターし他経験、指導経験から、学習者としての視点と指導者としての視点双方から発信しています。
【資格およびスキル等】
・英検1級・法律英語
・スペイン語、イタリア語、インドネシア語会話(まだ初級~中級レベル)