意外な落とし穴!?日本人が間違えやすい英語のYes / Noの答え方
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英語字幕で映画を観ていて、役者さんは「No」と言っているのに日本語訳が「そうよ」と肯定文になっているのに違和感を感じたことはありませんか?
また、英語での質問に答えるとき、Yes / Noどっちで答えていいか分からなくなっちゃうと感じたりする方はいらっしゃいませんか?
英会話を頑張っていると直面する、“日本語と英語、YesとNoが逆になる問題”。
これは「Aren’t you sleepy?」(眠くないの?)というような否定疑問文で質問されるときに起こります。
この場合、日本語と英語では「はい」と「いいえ」の答え方が逆になってしまうため、混乱してしまう人が多いようです。
そこで今回は、厄介な否定疑問文にも間違えずに答える簡単なルールをご紹介しようと思います!
Yes / Noがなぜ逆になるの?
例えば「Aren’t you busy?」(忙しくないの?)と聞かれたとしましょう。
自分が「忙しい」と返事をしたいときは「Yes」「No」どちらになるでしょうか?
答えは「Yes, I’m busy. 」(いや、忙しいよ)です。
また、「Don’t you like Sushi?」(お寿司好きじゃないの?)と聞かれて「好きじゃない」と答えたい場合はどうでしょう?
答えは「No, I don’t like Sushi.」(うん、好きじゃない)になります。
このとき、注目してほしいのが日本語訳。
日本語では、「うん」(肯定)「好きじゃない」(否定)という具合に、YesとNoが混在しています。
このように、日本語の場合は相手の質問の「内容」に対して肯定したり、否定したりして答えます。
一方、英語の場合は、相手の質問内容に対してどう答えるかというよりは、「自分自身の答え」がYesなのかNoなのかで答えます。
Yesの場合は
「Yes, I am.」
「Yes, I do.」
のように肯定文が続き、
「No」の場合は
「No, I’m not.」
「No, I don’t」
のように必ず否定文が続きます。
日本語のように、否定と肯定が混在した「Yes, I don’t.」というような表現はしません。
答え方のポイント
Yes / Noどちらで返答すれば良いか迷っても大丈夫!
考え方はとてもシンプルです。
まず、聞かれた質問が肯定文なのか否定文なのかは無視して、自分の答えが肯定か否定かだけを考えてみてください。
それをそのまま答えればOKです。
要するに、普通の疑問文で質問されているのと同じなのです。
例えば、「Aren’t you sleepy」(眠くないの?)と聞かれたら、「Are you sleepy?(眠い?)」と聞かれているのと同じ。
眠いなら「Yes, I am(sleepy).」、眠くないなら「No, I’m not(sleepy).」という具合で答えます。
どうしても迷った場合はYes / Noを言わず、「I’m not sleepy」と返答すると良いでしょう。
答え方の例
いくつか例文をご紹介します。
混乱してきたら、答えの冒頭のYes / No部分を無視してみてください。
Aren’t you excited?(楽しみじゃないの?)
- Yes, I’m excited.(ううん、楽しみだよ)
- No, I’m not excited.(うん、楽しみじゃないよ)
Aren’t you tired?(疲れてないの?)
- Yes, I’m tired.(いいえ、疲れています)
- No, I’m not tired.(はい、疲れていません)
Can’t you teach Japanese? (日本語教えられないんですか?)
- Yes, I can teach Japanese.(いいえ、教えられますよ)
- No, I can’t teach Japanese.(はい、教えることはできません)
Don’t you like music?(音楽好きじゃないの?)
- Yes, I do!(いや、好きだよ!)
- No, I don’t.(うん、好きじゃないです)
Don’t you love me? (私のこと愛してないの?)
- Yes, I love you!(愛しているよ!)
- No, I don’t love you anymore. (うん、もう愛してないよ)
これも迷う!Do you mind 〜?の答え方
もう1つ分かりにくいのが「Do you mind 〜?」の疑問文です。
「Do / Would you mind~?」は「〜してもらえますか?」「~していただけますか?」と依頼する表現。
「Would you mind if~?」は、「~してもいいですか?」と相手の許可を得るときに使われる表現です。
「mind」という動詞は、直訳すると「気にする」という意味。
従って、「Do you mind 〜?」を直訳すると「あなたは~することを気にしますか?」「もし~したらあなたは気になりますか?」といった聞き方になり、「Yes」と答えれば「はい、気になります」、「No」と答えたら「いいえ、気になりません」ということになります。
「Yes」と答えると「困る」「嫌だ」という強い拒絶を表すことになってしまうため、否定疑問文と同じように答え方に注意が必要なのです。
「mind」は「〜を嫌だと思う」「迷惑だと思う」という意味だということを頭に入れておくと分かりやすいのではないかと思います。
例えば…
Would you mind cancelling our trip to Tokyo next month?
「来月の東京旅行を取りやめにすることを気にしますか?」
=「来月の東京旅行を取りやめにしてもらえますか?」
- Yes, I do!I want to go!
「はい、気にします!」=「嫌です」
回答:「取りやめたくないです」 - No, I don’t mind. I can do that.
「いいえ、気にしませんよ」=「構いません」
回答:「取りやめでも良いですよ」
Would you mind if I take it home?
「私がこれを家に持って帰ることは気になりますか?」
=「これ持って帰っても良いですか?」
- No, I don’t mind. Please take it home.
「いいえ、気になりません」=「構いませんよ」
回答:「どうぞ持って帰ってください」
- Yes, I would, sorry. You cannot take it home.
「はい、すみませんが気になります」=「ダメです」
回答:「すみませんが、持って帰ることはできません」
Do you mind me opening the window?
「私が窓を開けることを気にしますか?」
=「窓を開けても良いですか?」
- No, I don’t mind. Please open it
「いいえ、気になりません」=「構いませんよ」
回答:「どうぞ開けてください」
- Yes, I’m sorry. It’s getting cold in here.
「はい、すみませんが、寒くなってきたので開けるのは気になります」=「イヤです」
回答:「すみません、寒いので開けないでいただけますか?」
「気になる」(=やめてほしい)場合、「Yes, I would」や「Yes, I do mind.」などと返事をすると、状況によってはとても失礼だと捉えられてしまいます。
そのかわり、例えば
「I’m sorry, but you can’t.」
「I’m afraid you can’t」
にすると少し柔らかい表現になるのでオススメです。
ついでに、「気にならないといいけれど」=「了承していただけるといいのですが」という意味の「I hope you don’t mind.」というフレーズにもきちんと回答できるようにしておきましょう。
I hope you don’t mind.
「あなたが気にしないことを願います」
=「了承していただけるといいのですが」
- No, not at all!
「気になりませんよ!全く問題ないです」
回答:「大丈夫ですよ」
付加疑問文も同じ考え方でOK
否定の疑問文やDo you mind〜?のほかに、付加疑問文への返答にも同じ考え方が当てはまります。
付加疑問文とは、「〜, don’t you?」「〜, aren’t you?」などを文末につけて、「〜ですよね?」と確認したり、念を押したりするときに使われる表現。
ネイティブスピーカーはよく使うので、答え方を覚えておきましょう!
答え方のポイントはやはり「〜, don’t you?」「〜, aren’t you?」を無視すること。
例えば
「You went to Hawaii, didn’t you?」
(ハワイ行ったんでしょ?)
と聞かれた場合、文末の「〜, didn’t you?」を無視して、
- 肯定(行った)なら「Yes, I did」
- 否定(行ってない)なら「No, I didn’t」
と答えます。
「〜ですよね?」の部分はある意味“オマケ”なので、カットして考えても問題ないのです。
まとめ
質問に答える場面というのは、すぐに答えを求められることが多いのではないかと思います。
そういう場面で否定疑問文やmindを使った文で聞かれたとき、YesとNoを間違えてしまうと、話が全然違う方向に行ってしまったり、誤解を生んでしまったり、コミュニケーションが意図しない方向に進んでしまうことになってしまいます。
間違えないように慎重に考えて発言したいところですが、日本語と逆と思うと混乱して焦りがち。
今回ご紹介したコツを覚えていても、慣れるまでは少し時間がかかると思います。
上達のポイントは練習すること!
ご紹介したルールを押さえつつ、ご家族やレッスンでどんどん練習して、習得していってください!