英語が話せる日本人の割合はどれくらい?おすすめの勉強法を紹介

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「英語が話せる日本人の割合はどれくらい?」
「なぜ日本人は英語が話せないの?」
「英語が話せるようになるためには、どんな勉強をする必要があるの?」
英語が話せるようになりたい方で、このような疑問や悩みを抱えている方はいませんか?
結論から申し上げると、英語が話せる日本人の割合はわずか10%未満です。
しかし、正しいマインドと勉強法で取り組めば、誰でも英語は話せるようになります。
本記事では、英語を話せる日本人の割合が低い理由と、英語が話せるようになるために意識すべきこと、そしておすすめの勉強法について紹介します。
英語が話せるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも「英語が話せる」ってどれくらいの英語力のことを指すの?

まず、「英語が話せる」という定義は曖昧で、考え方には個人差がある点に注意しましょう。
ある人は「意思疎通ができるレベル」で十分と感じる一方、ビジネス英語ができても「まだまだ不十分」と思う人もいます。
つまり、自分が話せると思っていても、周囲の評価は異なる場合があるということです。
明確な基準がないため、試験のスコアで英語力を測ることが一般的ですが、一つの目安として「実用的に必要な意思疎通ができるレベル」があります。
これは、英語を使って目的を果たせるかどうかという基準です。
例えば、買い物や病院での診察時に、定型文だけでなく予期せぬ事態にも対応できる力が求められます。
本記事では「英語が話せる」=「実用的に必要な意思疎通ができるレベル」という基準で話を進めていきます。
英語が話せる日本人の割合は?

英語が話せる日本人の割合に関する調査は数多くありますが、いずれも英語が話せる日本人の割合は10%にも満たないことがうかがえます。
例えば、留学や海外生活の経験がなく、日本の学校で英語を学んだ人を対象におこなった講談社によるアンケート調査では、「話すことも聞くことも問題なくできる」英会話力があると回答したのはわずか2.5%にとどまり、43.5%が「ほとんど話せない」と回答しました。
他にも、2024年にレアジョブ法人向け事業子会社プロゴスがおこなった調査結果では、66万人の受験データから、グローバルビジネスで通用するスピーキングレベルの日本人はわずか7%であることが明らかになっています。
英語を話せる日本人の割合が低い理由
英語を話せる日本人の割合が低い理由は、下記の通りです。
- 英語と日本語の言語距離が大きいから
- インプット中心の教育を受けてきたから
- 日々の生活のなかで英語を話す必然性が欠けているから
- 間違えることを恥だと考える傾向があるから
本章では、それぞれの理由について詳しく解説します。
英語と日本語の言語距離が大きいから
英語を話せる日本人の割合が少ないのは、英語と日本語の「言語距離」が大きいからです。
言語距離とは、単語や文法、発音などの違いをもとに、ある言語をどれほど習得しやすいかを示す指標です。
例えば、フランス語は英語と同じ語族に属して共通点が多いことから、フランス語と英語の言語距離は小さく、フランス語話者にとって英語は習得しやすいと感じられます。
しかし、日本語と英語を比較すると、下記のようにあらゆる点で異なることから習得が容易ではありません。
- 語順
- 助詞の使い方
- 敬語表現
- 発音
アメリカのForeign Service Instituteによると、一般的なアメリカ人が日本語を習得してネイティブレベルに到達するのに必要な学習時間は2,200時間にも及び、日本語は最も習得が難しい言語に分類されています。
日本人が英語を学習するという逆のパターンでも、同程度の学習時間が必要になると言えるでしょう。
【アメリカ人が各外国語習得までにかかる学習時間の目安】
学習時間の目安 | 学習する言語 |
552〜690時間 | ・イタリア語・ノルウェー語・スペイン語・フランス語 |
828時間 | ・ドイツ語・マレー語・スワヒリ語・インドネシア語 |
1,012時間 | ・エストニア語・フィンランド語・モンゴル語・トルコ語・タイ語・ベトナム語 |
2,200時間 | ・アラビア語・中国語・韓国語・日本語 |
出典:Foreign Service Institute ”Foreign Language Training”
このように日本語と英語の言語距離が大きく、習得に時間がかかることから、英語を話せる日本人の割合が少ないのです。
インプット中心の教育を受けてきたから

英語を話せる日本人の割合が少ないのは、インプット中心の教育を受けてきたからです。
これまでの学校での英語教育では、英文法や語彙の暗記、リーディングが重視されており、リスニングやスピーキングの機会が限られていました。
特にスピーキングは、試験で評価しにくいことから授業でも優先順位が低くなりがちでした。
下図は、令和5年度全国学力・学習状況調査中学校英語調査問題の分析結果です。

出典:国立大学法人 横浜国立大学「令和5年度全国学力・学習状況調査の英語の結果を活用した専門的な分析」
学習指導要領の領域別に見ると、「聞くこと」と「読むこと」の平均正答率は50%を超えているものの、「書くこと」の平均正答率は35%、「話すこと[やり取り]」の平均正答率は15%、「話すこと[発表]」は4.7%と非常に低いことがうかがえます。
これまでのインプット中心の英語教育を反省し、実践的なコミュニケーション能力育成に向けてスピーキングやライティングに注力する英語教育に変化した現在でも状況は大きく変わっていません。
実際筆者も現在は大学院留学やオンライン英会話でのトレーニングを通じて英語を話せるようになりましたが、中学生から大学生のときには英語のペーパーテストは得意であったもののスピーキングに対しては苦手意識を持っていました。
学校の英語教育だけでは、英語が話せるようになるのは難しいのかもしれません。
このようにインプット中心の教育を受けてきたため、多くの日本人は英語を「理解できても話せない」状態に陥っているのです。
日々の生活のなかで英語を話す必然性が欠けているから
日本人の多くが英語を話せない理由の1つに、日常生活で英語を使う機会がほとんどないことが挙げられます。
日本は日本語だけで生活が成り立つ環境にあり、英語を話せなくても困る場面が少ないため、学習の必要性を感じにくいのです。
筆者は日本国内では「英語ができる」部類に入ると考えていましたが、オーストラリアの大学院に留学し、他の留学生が私よりも英語力が高く、授業中にネイティブの生徒と対等にディスカッションをしている様子を見て、圧倒されて危機感を覚えました。
その危機感が原動力となり、現地で英語を話すトレーニングに励み、スピーキング力を向上させました。
日常生活における英語を話す必然性の有無が、英語を話す力に直結します。
間違えることを恥だと考える傾向があるから

日本人が英語を話せるようになるのが難しいのは、「間違えることを恥ずかしい」と感じる傾向があるからです。
日本の教育では正しい答えを求める姿勢が重視されることから、英語学習においても「間違えずに話す」という正確性が重要視されがちです。
その結果、完璧な文法や発音を意識するあまり、間違うことを恐れて発話自体を避けてしまう人が多くなります。
英語が話せる日本人になるために意識すべきこと

英語を話せるようになるためには、下記の点を意識することが大切です。
- 日々の生活のなかで英語に触れる習慣をつける
- 完璧主義を捨てる
- 焦らずじっくりと取り組む
- インプットとアウトプットのバランスを考える
本章では、それぞれの点について詳しく解説します。
これらの点を意識しながら英語学習に取り組むことで、英語を話せるようになる可能性がグッと高まるでしょう。
日々の生活のなかで英語に触れる習慣をつける
英語を話せるようになるためには、学習の継続が欠かせません。
そのためには、日常生活のなかで自然に英語に触れる習慣をつけることが大切です。
学校や英会話教室だけでなく、普段から英語を聞いたり話したりする環境を作ることで、無理なく英語力を向上させられます。
下記を参考にしながら、日常生活に英語を取り入れましょう。
- 英語の歌を聞く
- 英語の絵本・本を読む
- 英語でアニメを視聴する
- 英語で日記を書く
- オンライン英会話を受講する
このように日々の生活のなかに英語を取り入れて習慣化させることで、英語が特別なものではなく、生活の一部として定着し、自然と英語が話せるようになります。
完璧主義を捨てる

英語を話せる日本人になるためには、完璧主義を手放すことが大切です。
前章でも説明しましたが、多くの日本人は「文法や発音を間違えてはいけない」と考えすぎるあまり、英語を話すことに対して消極的になりがちです。
言葉は「使うこと」が何よりも大切で、最初から完璧である必要はありません。
あなたは日本語のネイティブスピーカーですが、日本語を間違えることなく完璧に話すことができますか?
日本語のネイティブスピーカーでも誤った日本語を使ったり、単語が思い浮かばなかったりすることはよくあることです。
外国語の英語であればなおさらです。
伝えようとする姿勢があれば、相手に意味は十分に伝わります。
むしろ話しながら間違いを学び、改善していくことこそが英語上達の近道です。
完璧を求めるのではなく、つたない英語であっても「伝える」ことを意識して英語を話すようにしましょう。
焦らずじっくりと取り組む
英語を話せる日本人になるためには、短期間で結果を求めるのではなく、長期的にじっくりと取り組むことが大切です。
前章でも紹介しましたが、英語と日本語の言語距離は大きく、習得するまでに2,000時間以上の膨大な時間が必要です。
そのため、「話せるようにならない」と焦りを感じながら学習に取り組むと、途中で挫折しやすくなるので注意しましょう。
特に、日本人は英語を日常的に使う環境にいないことから、スピーキング力を伸ばすためには継続的な学習が欠かせません。
焦らず、自分のペースでじっくりと学習に取り組んで、徐々に英語が話せることを目指すようにしてください。
インプットとアウトプットのバランスを考える

英語を話せるようになるためには、インプット(「読む」「聞く」)とアウトプット(「話す」「書く」)のバランスを意識することが大切です。
日本人は英語を学習する際にインプットに重点を置きがちですが、アウトプットのトレーニングを怠ると、いざ英語を「書く」「話す」場面になったときに単語や表現がスムーズに出てこなくなってしまいます。
普段から、英文を書く、英語を話すといったトレーニングもインプットと並行しながらおこなうことで、このような事態を防げます。
英語を話せるようになるためには、インプットとアウトプット両方のバランスの取れた学習が欠かせません。
英語学習におけるインプットとアウトプットの理想的な割合について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
【ステップ別】英語が話せるようになるおすすめの勉強法

英語が話せるようになるためには、正しい方法で学習することが大切です。
下記のステップを踏んで学習に取り組んでください。
STEP1: 基本的な英単語や英文法を身につける
STEP2: 英語の発音や音声変化を身につける
STEP3: 音読やシャドーイングを通してリスニング力を高める
STEP4: 英語日記でアウトプット力を高める
STEP5: オンライン英会話や英会話スクールでスピーキングの実践練習を重ねる
本章では、それぞれのステップでやるべきことについて詳しく説明します。
これらのステップを踏んで英語の学習に取り組むことで、短期間で効率的に英語が話せるようになるでしょう。
STEP1: 基本的な英単語や英文法を身につける
英語を話せるようになるためには、基本的な英単語や英文法の知識が不可欠です。
語彙力が不足していると自分の気持ちや考えを表現することが難しくなり、英文法の知識がないと相手に自分の言いたいことを正しく伝えられません。
英単語に関しては、アプリや中学生レベルの英単語帳を活用して、日常会話でよく使われる単語やフレーズを中心に学習しましょう。
英文法は、文法書やYouTubeの解説動画などを活用しながら中学生レベルの英文法を習得し、簡単な英作文ができるようになることを目指してください。
英語を話すための土台を作る段階なので、焦らずじっくり取り組むことが大切です。
基本が身につけば次のステップ以降の学習がスムーズに進められます。
下記の記事では、中学生レベルの英単語や英文法を身につけるのに役立つアプリを紹介しています。
興味がある方は、こちらの記事もあわせて参考にしてください。
STEP2: 英語の発音や音声変化を身につける

次に、英語の発音や音声変化を身につけましょう。
英語特有の発音や音声変化を身につけておかないと、相手に伝わる英語が話すことが難しくなるとともに、リスニング力が伸びにくくなってしまいます。
筆者は『オバケの英語』という書籍を使って英語の発音の基礎や音声変化を学び、その後学んだルールに従って英語の歌を歌い続けているうちに、ネイティブスピーカーに褒められるほどの英語の発音を身につけられました。
1〜2ヶ月ほどの短期間でできることと、楽しく取り組めることからおすすめの勉強法です。
書籍やアプリ、YouTube動画などを活用して英語の発音や音声変化について学び、ネイティブの発音を真似しながら発声練習をしてみましょう!
STEP3: 音読やシャドーイングを通してリスニング力を高める
英語を話せるようになるためには、相手が話す英語を理解できる力を高めることが大切です。
そのため、音読やシャドーイングを通じてリスニングのトレーニングをしましょう。
音読は、英語の文章を声に出して読む練習法で、シャドーイングは英語の音声を聞きながらほぼ同時に発話する練習法です。
それぞれのトレーニング方法のやり方は、下記を参考にしてください。
音読のやり方
- 自分の英語レベルに適した音声付きの教材を選ぶ
- 英文の意味や構造を意識しながら、声に出して読む
- 一度音読したあと、わからない単語の意味を辞書で調べたり、音声を使って正しい発音を確認したりする
- 英文の内容や発音をしっかりと理解したうえで、もう一度音読する
シャドーイングのやり方
- 自分の英語レベルに合った教材を選ぶ
- スクリプトを見ずに英語の音声を聞いて、大まかな内容を把握する
- スクリプトを確認しながら、わからない単語やフレーズの意味を調べる
- 音声を聞きながら英文を音読する。意味や内容をイメージしながら英文を音読できるようになるまで繰り返す。
- シャドーイングに挑戦する。音声についていけるようになるまで繰り返す。
- 英文の内容をイメージしながらシャドーイングができるようになるように繰り返し練習する
これらのトレーニングを続けることでリスニング力が高まり、相手が話す英語を理解できるようになります。
音読とシャドーイングそれぞれのコツや教材の選び方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
STEP4: 英語日記でアウトプット力を高める

英語を話せるようになるためには、インプットだけでなくアウトプットのトレーニングも必要であることを説明しました。
英語日記を通じてアウトプット力を高めていきましょう。
英語で文章を書くことで、語彙や文法の定着が進み、スピーキングの際にもスムーズに言葉が出てくるようになります。
まずは、「今日は楽しかった」「今日は◯◯を食べた」など、シンプルな英文で構わないので日常の出来事を簡単な英文で書くことからスタートさせましょう。
また、可能であればオンラインの英語添削ツールやAIを活用して、自分が書いた英作文を添削してもらうようにしてください。
正しく自然な英語が身につきやすくなります。
英語日記を毎日続けると、英語で考える力が身につき、実際の英会話でスムーズに話せる土台が築かれます。
英語日記の書き方や役に立つ例文についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
STEP5: オンライン英会話や英会話スクールでスピーキングの実践練習を重ねる
英語を話せるようになるためには、実際に会話の練習を積むことが不可欠です。
オンライン英会話や英会話スクールで、スピーキングの実践練習を重ねましょう。
下記の点に留意しながらレッスンを受講することで、学習効果が倍増します。
- レッスンの予習と復習を必ずおこなう
- 新しく学んだ単語やフレーズをレッスン中に積極的に活用する
- オンライン英会話のレッスン外でも英語の自学自習をおこなう
- 間違いを恐れずに自信を持って英語を話す
- できるだけ毎日レッスンを受講する
オンライン英会話と英会話スクールのレッスンを通じて、英語に話すことに慣れて徐々に英語を話す力が身につけられます。
正しい方法で学習に取り組み、英語を話せる日本人になろう!

英語が話せる日本人の割合は、わずか10%にも満たないです。
しかし、今後ますますグローバル化が進み、外国人と関わる機会が増えることからも、英語を話せるようになることで人生の可能性がさらに広がります。
下記の点に留意しながら、正しい方法で英語学習に取り組み、英語を話せる日本人になりましょう。
英語を話せるようになるために意識すべきこと
- 日々の生活のなかで英語に触れる習慣をつける
- 完璧主義を捨てる
- 焦らずじっくりと取り組む
- インプットとアウトプットのバランスを考える
英語を話せるようになるためのおすすめの勉強法
STEP1: 基本的な英単語や英文法を身につける
STEP2: 英語の発音や音声変化を身につける
STEP3: 音読やシャドーイングを通してリスニング力を高める
STEP4: 英語日記でアウトプット力を高める
STEP5: オンライン英会話や英会話スクールでスピーキングの実践練習を重ねる