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小学校からの英語教育 4つのメリットと2つのデメリット

小学校からの英語教育 4つのメリットと2つのデメリット
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英語コラム

小学校での英語教育がスタートし興味関心が高まっていますね。

小学生のうちからどんどん積極的に英語に触れていくことは果たして子供にとって良いことなのか、それとも年齢が低いうちから外国語を学ぶことはマイナスとなるのか、悩ましく感じている保護者の方も多いはずです。

そこでこの記事では、小学生の英語教育について、そのメリットとデメリットを説明し、デメリットとされる要素を軽減するためにはどういう点に注意すべきなのかについてお話ししていきます。

小学生で英語を始めるメリット

小学校から英語を学ぶメリット
後でお話しするように、早期に英語を始めることで考えられる弊害が存在することも事実ですが、低年齢から英語学習を始めることには多くのメリットが存在するのは間違いありません。

では、小学生から英語を始めることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。順に見ていきたいと思います。

好奇心から学ぶことによる学習効果が期待できる

小学校からの英語教育が必修化されても、その内容はまだ中学生や高校生のように受験科目として試験対策に重きを置いたものではありません。

新学習指導要領のもとでは、小学5年生からは、教科の一つとして低学年よりもより本格的に英語を学ぶことにはなりますが、それでも「勉強」としての色彩は中学英語・高校英語と比較すれば薄いものとなっています。

つまり、この期間は「勉強」としてではなく、純粋に好奇心から伸び伸びと学ぶことができる貴重な期間であるともいえます。

年齢が高くなる前の段階で、好奇心が動機となって学ぶことで、スポンジのように言葉を吸収し自分のものにしていけるというメリットがあるのです。

ただし、後からデメリットについてお話しするときにくわしく説明しますが、英語への接し方によっては、せっかく伸び伸びと学び知識を吸収できるはずであったものが、かえって抵抗感を感じる存在になってしまうこともありますから、そこは十分な注意が必要です。

「英語脳」を作ることが容易になる

幼い頃から母語以外の言語に触れることのメリットとしては、なんといっても、英語に反応できる脳が育まれるということでしょう。いわゆる「英語脳」などと呼ばれるものです。

大人になってから初めて外国語に触れるときに一番厄介なのは、「音」の問題です。

母語である日本語にはない音に反応していく脳にするためには、一定期間、一定量の英語に触れていく必要があります。

そのため、年齢が高くなってからでは、なかなかこの英語脳を獲得するまでには至らず、結果として、日本語にはない音を聞き分けることができない、発音をすることが難しいといった問題に直面することになってしまうのです。

一般的に、語学学習では文法の学習にアレルギーがある人が多いのですが、実際の所は受験勉強などを通して勉強する機会がありますし、文法は勉強すれば身に着くものですから実はそれほど大きな問題とはなりません。

実際は、英語の音を聞き取れない、聞き分けられない、発音できないという悩みを抱える学習者の方が多いですし、克服するのも一段と難しいのです。言って見れば「脳の回路」を作るのですから、一朝一夕にいくものではありません。

この点、早いうちから英語の音に触れていれば、それだけ多くの時間、英語に触れることができるわけですから、年齢が高くなってから初めて英語に触れる人よりも大きなアドバンテージとなります。

本物のコミュニケーション能力が育まれる

コミュニケーションが広がる
英語を学ぶことで、当然他の人種や文化に触れる機会が増えます。多様な価値観の違いにも接する機会を持つことができます。そうした経験が、より本質的なコミュニケーション能力・コミュニケーションスキルを育んでくれます。

感受性が豊かで考え方がより柔軟な時期、つまりより低年齢のうちから始めることで、単に、「言葉が通じる」ということだけではなく、価値観や文化的背景の違いを意識しながら気持ちをくみ取る、自分の考えや思いを伝える力が養われます。

視野や可能性が広がる

小学生から英語を学ぶことで、より広い視野や可能性を持つことが可能になります。

それはもちろん、交流できる相手の範囲が日本語を話す者から、英語が通じる者へと広がることも理由の一つです。

また、英語を学ぶことで、英語「で」学ぶことができるようになります。これにより、学ぶことができるものの範囲も大きく広がります。将来の選択肢が一気に増えることになるのです。

それだけではありません。英語を学ぶことは異文化を知ることでもありますから、興味の対象がより多くなることも期待できます。自分から興味を持ったものについて深く学ぶことが苦にならないのは大人も子供も同じです。

その国の人やものに興味がわけば、その国の地理や歴史なども無味乾燥なものではなくなります。中学・高校で学習する地理や歴史といった一見すると英語とは関係のない他の科目にまで何らかの良い影響を及ぼすことは間違いありません。

小学生から英語を始めるデメリット

このように、小学生から英語を始めることにはいくつものメリットがありますが、その一方で、年齢が低いうちから英語を学び始めることに対しては懐疑的な意見、否定的な意見もあることは確かです。

では、早期に英語を学ぶことのデメリットとしてはどのようなことが考えられるでしょうか。

日本語力の発達に影響する可能性がある

母語を使いこなす能力が未発達のうちに、母語以外の言語、つまり日本語ではなく英語に触れさせることで母語を操る力への悪影響を懸念する声もあります。

いわゆる「セミリンガル」と呼ばれるものがこれです。どちらも中途半端な状態になり、思考力にまで影響が及んでしまうケースも指摘されています。

メンタルブロックができてしまう可能性がある

日本では、英語をマスターするのは難しいものという意識がまだまだ根強く残っています。

また、小学校の先生の中には英語に苦手意識がある人、教え方に自信がない先生、できれば英語をやりたくないという先生も多いのが事実です。

やはり、周りの大人が英語にマイナスのイメージを抱いていた場合、子供に肯定的なイメージを持たせることは難しくなります。

また、強制とまではいかないまでも、あまり興味がないまま英語を勉強しなければならないとなった場合、それが子供の負担になってしまうことは想像に難くありません。

デメリットをどう捉えるか

上では、小学生から英語を始めることのデメリットとして考えられることを挙げました。これを考慮して、やはり英語を習わせることを控えた方が良いのでしょうか。

そうは思いません。

英語を習うメリットは、そのデメリットをはるかに上回るからです。

「メンタルブロックができてしまう可能性がある」とデメリットのところで書きました。これは、不確実だから可能性と書いたわけではなく、

やり方を誤ると逆効果となるよというレベルの話にすぎません。

言い換えれば、「幼い頃から英語を学ぶデメリット」としてもたらされる弊害とされていることは、英語を学ぶことそれ自体によるものではないのです。

デメリットを回避するために気をつけること

早期に英語を学び始めること、それ自体が子供の学力等に悪い影響を与える要素とはなり得ないことは、すでにお話しした通りです。

まず、デメリットの一つ目に挙げた日本語力の低下に関して見てみましょう。これは、英語を学ぶことが直接の原因ではないことに注意が必要です。

つまり、英語を学んだせいで国語力(母語である日本語の力)が低下するのではなく、あくまでも国語学習や日本語でのコミュニケーション能力をつけることを怠った結果として、日本語力が低下するわけです。

ですから、それを回避するためにどうすればよいのかと聞かれれば答えは簡単です。英語に触れる時間をと同等ありはそれ以上に上質の日本語に触れていけば良いだけです。母語の学習をおろそかにしないということですね。

では、考えられるデメリットとして二つ目に挙げた「メンタルブロック」ということに関してはどうでしょう。

これも、英語を学ぶことそれ自体がメンタルブロックを作るわけではありませんよね。どのように学ぶか、どのような環境や素材で学ぶのか工夫することによってこのデメリットを回避することは十分に可能です。

さいごに

この記事では、小学生から英語を学ぶことのメリット・デメリットについて考えてみました。

小学校からの英語教育には多くのメリットがあることがお分かり頂けたかと思います。今回の英語必修化が、子供達の未来をより明るいものにしてくれることを願うばかりです。

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さびねこ

【自己紹介】
英検1級取得後、英語講師を経て、フリーランスで翻訳・ライティング業務を行う。

【英語力・指導経験】
都内の大学(法学部法律学科)大学在学中に英検1級に独学で合格。その後、英会話スクールにて、幼児クラスから、小学生向けクラス、そして、高校生・社会人クラスと一通り担当。独学で英語をマスターし他経験、指導経験から、学習者としての視点と指導者としての視点双方から発信しています。

【資格およびスキル等】
・英検1級・法律英語
・スペイン語、イタリア語、インドネシア語会話(まだ初級~中級レベル)

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