「英語の翼」

Mayu(高校生)

Mayu

「英語が話せれば、将来3億違う」
私が聞いた言葉の中で最も衝撃的な言葉の一つです。英語が話せるだけで生涯収入が大きく変わるという意味ですが、私が英語を話したいのはそんな理由ではありません。
私が英語に興味を持ち始めたのは中学2年生の時です。
それまでの私は、英語は嫌いでした。
主語によって変化するbe動詞や英語特有の文型、どんどん増える単語。なによりもなぜ英語を学ぶのかが分かりませんでした。私は頑なに「日本人だから英語なんていらない。私は一生日本で生きていく。」こう思っていました。
しかし、その頃、アメリカ人作者の本に出会いました。物語のすべてが海外的で、魅力的で、そんな世界に行ってみたい!話してみたい!と思い始め、それから英語はただの学校で習う教科ではなく、私の夢に必要なものに変わりました。興味がわき、嫌いが好きになりました。
高校も国際教養科に進学しました。
学校には数名の留学生がいます。アメリカなどの英語圏だけでなく、ドイツやタイなどの英語圏以外の国から来た留学生もいます。彼らとは、英語を使って話します。
私は今、見た目も文化も全く違う人と話している。そう思うとすごくわくわくしました。英語でお互いの国について紹介し合い、共有する。それは、授業では実感できない世界共通語としての英語のすごさを感じました。高校生活3年間、たくさんの留学生と友達になりました。でも、英語で留学生と話すことは楽しいことだけではありません。1対1の時は私に分かるように簡単な英語でゆっくりと話してくれます。しかし数人の留学生が集まると、冗談を言い合ったりふざけ合ったり、ネイティブ並の速さで話すので、たちまち聞き取れなくなります。内容を聞き取ることが出来なければ発言が出来ません。彼らは背が高いので、小さい私は目線を合わすことも出来ません。なんとかして話に入ろうと、聞こえてくる単語を繰り返し質問すると、一人の子がゆっくりと説明してくれましたが、私が意味を理解した時には冗談は終わっていました。みんなが理解して笑っているジョークに自分だけがついていけない。言葉で言い表せない程の悔しさと孤独を感じました。クラスの友達には、留学生に全く興味がなく日本人同士で楽しそうにしてる子もいます。留学生たちと離れてその中に加われば、会話にも冗談にもついていける。でも、それは違う。満足出来ません。いつまでたっても聞き取れない英会話に私は焦っていました。ですが、どうしても英語で留学生と話す事を諦めたくありませんでした。そんな時、長期留学の経験のある友達がアドバイスをしてくれました。「ここは日本、留学生たちは日本に日本語を学びに来てるんやで」私は日本語のネイティブであり、彼らにとって身近な先生。それからは考え方が一変しました。英語だけでなく分かり易い日本語も交えて話すようにしました。少し日本語を使うだけで、私の心にも余裕ができたのか、英語も聞き取りやすくなりました。留学生を見つけるたびに話しかけていくと、名前を覚えてもらうようになり、進んで日本語を使おうとしてくれるようになりました。私は日本語を教え、彼らは私に英語を教えてくれました。
「英語が夢を阻む鎖ではなく、夢を実現する扉になるよう、英語の翼をつけて世界を羽ばたき、英語の眼鏡をかけて世界を広く深く知り、世界にある様々な考えを受け入れるだけの広い心を持った人になってほしい」これは私の担任の先生の言葉です。
私の夢は、この言葉のように、世界の多くの人に、私の見た、感じた素晴らしい日本について英語で発信し、知ってもらい好きになってもらいたいです。ですが、今の私の英語力では難しいです。
その夢の実現には、英語力をつけることと、自分の目で世界を見てみることが必要だと思います。広い世界を知ることが出来る留学は、私の夢への第一歩です。世界で通用する英語を身につけ、もっともっと自分の世界を広げたい。これが私が世界を目指すわけです。

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