「日本の依存症問題を解決するために」

西村 優里(会社員)

西村 優里

536万人。この数字が何だかお分かりだろうか。今臨時国会で審議され、連日ニュースで報道されていたカジノ法案に関連する数字なので、ご存知の方もいらっしゃるかも知れない。これは、日本におけるギャンブル依存症の疑いがある人の人数である(出処:厚生労働省2014.8)。実に、全国民の4.8%という、世界でもトップレベルの有病率の高さである。日系企業で働く一OLでしかない私が、なぜこの点に触れるのか。それは、私もかつて依存症であったからだ。ギャンブルではないか、買い物依存症であった。アルコール依存症の父を持ち、抑圧された環境で育った影響で、学生時代から買い物にハマり、社会人2年目で500万円以上の借金をつくってしまった。
しかし、その後考え方と行動を変え、借金を返済し、今ではお金を貯められるようになった。この経験から、同じようにお金のことで悩んでいる人の力になりたいと思い、今年(2014年)7月に拙著「買い物依存症OLの借金返済・貯蓄実践ノート」(合同フォレスト)を出版した。同時に法人(一般社団法人ウーマンフィナンシャルカウンセリング協会)を立ち上げ、現在は、平日はOLをし、主に休日などを使って相談者へのサポート活動をしている。また、依存症者自身またはその家族などが参加する自助グループにも参加し、なぜ依存症になるのか、なぜ買い物なのか、自身や他者の事例を検証するなど、依存症についての研究も行っている。先のカジノ法案については、ある雑誌社から取材を受けた際に話題となり、"ギャンブル"と"買い物"という同じプロセス依存について考える機会があったからである。依存症には、アルコール、薬物、ギャンブル、買い物などがあるが、アルコールや薬物などの物質依存は以前から治療プログラムも確立され、自助グループも多数存在している。しかし一方、ギャンブルや買い物などのプロセス依存については、(実質的な世界基準と言われる)アメリカの精神医学の判断基準においても明確に記載されていない新しい概念であり、日本ではギャンブル依存症は病気であるとの認識も低いため、ほとんど対処されていない状況となっている。私は、この依存症問題の解決に貢献し、少しでも苦しんでいる人を減らしたい。対応が遅れているギャンブルや買い物などのプロセス依存に対する治療プログラムの確立に貢献し、日本における認識度向上に寄与するため、依存症対策で先進しているアメリカで勉強したいと考えている。しかし、ここで一つの問題がある。それは、自身の語学力が低いことである。現に前回のTOEICスコアは600点未満という結果であった。一時期、友人からの紹介でQQ Englishさんにもお世話になったが時間がつくれず、途中で挫折してしまった。また、先日依存症関連書籍を読んでいた際に、より詳細な内容を知りたくなり著者(New York Times記者)に本の内容について質問することにしたが、現在英訳で難航している。このようなコミュニケーションのための時間ロスはとてももったいないことであり、今後アメリカで勉強することを考慮すると、留学してしまった方が効率的であると判断している。最後に、もし今回受賞させていただけるのであれば、この機会を最大限に活かせるよう以下2点をお約束する。①最低3ヶ月は国外でしっかりと英語を勉強し、ビジネスで使用できるレベルに仕上げる②留学生活の様子を毎日ブログにアップする出資者、受賞者、双方のメディア露出により、社会問題に関心ある企業として世間から認知されるだけでなく、日本における依存症問題に国民の関心が向く効果が期待できる。また、自身が過去挫折を味わい、そこから這い上がって自らの志に向かって進む姿をお見せすることで、同じ問題で苦しんでいる方だけでなく、より多くの方を励まし、前向きなエネルギーを与えることができると信じている。あきらめずに自分の目標に向かって進んでいけば、夢は必ず手に入れられるものであることを示すために、私自身がお役に立てるのであれば、これ以上の喜びはない。

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