「世界なんて目指して意味あるのか」

shoya(学生(理系))

shoya

“若者は海外に行け”という言葉をよく耳にします。しかし、海外に行くことにそれほど意味があるのでしょうか。これは英語の教材や留学プランを売るために大人が流している、本当は実もない言葉なのではないでしょうか。

こんな疑問をもっていた私に、QQEnglishでの語学留学は“外にでる大切さ”を教えてくれました。また、これをきっかけに私はフィリピンセブ島でのインターンシップを行い、アメリカを横断しながら研究やビジネスの最先端の場所を訪れる旅をしました。そして、来年4月からはヨーロッパへ渡航することを決意しました。この機会を通して、私がこれらを通して学んだ“世界を目指すことの意味”について共有できればと思います。

私は現在、都内の大学院にてコンピュータサイエンスを学んでいる学生です。将来はいろいろな国から優秀なエンジニアや経営者が集まるような場所で働き、人に必要とされるサービスや製品を提供できるようなエンジニアになることを目指しています。

去年まで私は地方の高等専門学校に通う理系学生でした。入学当時の私は英語に苦手意識があり将来は英語を使わない職業に就こうと心に決めていました。TOEICの点数も200点台後半と、ランダムに解答した時の方が良い点数が得られるほどでした。

理系の学校で英語を学ぶことになど意味がない、もっとここでしかできない活動をしようと考えた私は技術の勉強に励みました。しかし、最新の技術について学ぶためには英語を理解することが必須でした。なぜなら世界に必要とされる物はほとんど世界から来るからです。

そこで私は人に必要とされるサービスとは何かを外の世界で学ぶために、語学留学と、とあるセブ情報誌の会社でインターンシップを行いました。この海外への初渡航が私に与えてくれたのは英語を話す機会だけではありませんでした。それは、日本の中にいては知ることができない“日本”について知る機会です。

外の世界について知らずに、箱のなかに閉じこもっていた私は日本に対して“日本人は常識がある”、“規律をきちんと守る”というような自信を持っていました。それに反して私から見たフィリピンの方々はみな、ある意味適当で、人間味が溢れ、人生をより楽しんでいるように思えました。例えば、日本では長時間働くことを良いこととし、周囲に合わせて行動することがあたりまえであると考える風潮があると思います。しかし、日本人の考えるこの”常識”は自分たちの首を締めているとも言えるのではなかと、社会人経験のない自分なりに思うことがありました。

また、このインターンシップはエンジニアとしての私に厳しい現実を教えてくれました。フィリピンのエンジニアはみな英語を流暢に話し、かつ働いていただくのにそれほど多くのお金がかかりません。それに比べて、日本のエンジニアは平均的に英語力が高いわけではなく給料もかなり多く必要です。そんな日本人エンジニアの需要は、この先どこにあるのだろうと思いました。日本の技術力はすごいと思います、しかし今までそうだったという事実に頼って、日本国内ばかりに目を向けて進んでいくことは危険なのではないかと感じました。

このような疑問をもった私は、まずは世界の最先端を知ろうと、アメリカを横断しながら、著名な研究者が集う研究所であるMIT Media labやシリコンバレーを訪れるワークショップに参加しました。この経験から私が学んだことのほとんどはここでは表現できない、実際に体験したからこそわかるものでした。

世界に出てみるたびに、私の中の私の将来に関する考えが何度も変わり、深くなっていくのを実感しました。自分がいかに狭い世界で今まで生きていたのか実感しました。悔しさも感じました。この経験は自分の中にあった、いらない自信を削りきってくれました。

これらの経験を通して私が思う“世界に出るべき本当の理由”は、英語が話せると便利であるとか、世界について知ることができるからではありません。外に出て初めて、日本について、自分についてやっと理解することができるからです。これは他の誰かから話を聞いても、本でも読んでも絶対に得られないものです。自分の足で外に出て、自分の肌で体験すること、これが唯一の方法だと思っています。

海外に行くなんて意識が高いやつがすることがとか、お金も機会もないから行けないなどと考えるより、とりあえず一度外に出てみては行いかがでしょうか。理由はなんでも大丈夫です、旅行でも語学留学でも、それが何かもっと大きなことに気がつくきっかけになるかもしれません。

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